「エルドラード」は、ドーシーアルバレス農場で栽培されたスーピマオーガニックコットンにヤクの毛を20%ブレンドした、あたたかくて肌ざわりの良い糸です。
ヤクの毛はもともと茶褐色で染色の必要がなく、後加工でのCO₂削減が期待され、オーガニックコットンと組み合わせることでGOTS認証を取得しています。
ヤクは標高3000~6000Mの高地に生息するウシ目 ウシ科に分類される動物です。
ほとんどが家畜化されており、全世界での個体数は1400万頭ほどで、そのうち1300万頭が中国で飼育されています。
中国西部のチベットや青海省の高原に住む人々は、年に一度だけ春にヤクの毛を採取します。
ヤクの体表は長くてかたい毛に覆われていますが、その内側に柔らかい産毛(うぶげ)が生えています。
春になって暖かくなるとその産毛は抜け、人々はその毛を拾ったり、櫛で梳(す)いたりして集めます。
ヤクは大きい個体だと800kgにまでなる大型の動物ですが、産毛量は一頭当たり1㎏から3㎏ほどで、そのうち紡績できる毛は100ℊから150ℊほどしかありません。
毛にはヌメリと光沢があり、私たちが扱う獣毛の中でカシミヤに次いで細くなめらかです。
ヤクにはアルパカやキャメルのように刺毛と呼ばれる太い毛がほとんどないので、素肌に来てもチクチクしません。
カラーはほとんどが黒に近いダークブラウンですが、わずかにグレーとホワイトがあります。
オーガニックコットンは、信頼性の高いアメリカの契約農場で栽培された超長繊維綿のスーピマをチョイスしました。
ヤクなどの獣毛をブレンドする場合、綿100%の時よりも撚りを強くかけないと糸が弱くなります。
したがって、糸は固くなります。
繊維が長いスーピマオーガニックを使用することで、通常のコットンに比べて撚りを甘くすることができ、「エルドラード」は獣毛混であっても肌ざわりが良い糸になるのです。