インド『スビンゴールド』の綿花畑へ
- 2020.3.25研修・体験
営業部の森田です。
今年の1月、収穫時期を迎えたインドの高級綿「スビンゴールド」の綿花畑へ訪れた際の様子をお伝えします。世界最大の綿花生産量を誇る「綿花大国」インド。
インドでは綿花は米や小麦に次ぐ主要作物として、広く栽培されています。広大なインドでは地域によって栽培されている綿花の種類が分かれています。北部では主にデシ綿と呼ばれるふとんなどに使われる短繊維綿の品種、中部では一般的な品質であるシャンカールなどの中長繊維の品種、南部ではDCHやSUVINといった超長繊維の品種が栽培されています。特に南部は年間平均気温が30度と1年を通して暖かい気候のため、普通の品種より2ヶ月ほど生育期間が長い超長綿の栽培に適しています。今回はインドの最高級綿と謳われるSUVINGOLD(スビンゴールド)の綿花畑を訪れました。
■コットン
SUVIN GOLD(スビンゴールド)■特長
希少性の高い超長綿で、繊維が繊細でしなやか。特有のぬめり感と光沢感がある関西国際空港からシンガポール経由で、コインバトール空港へ。コインバトールから車で東へ移動すること約3時間。そこにラクシュマナン氏が管理するスビンゴールドの綿花畑があります。
■スビンゴールドの農場見学インド南部の広大な綿花畑の農場主であるラクシュマナン氏。彼は父親の代からスビンゴールドの栽培手法を受け継いできました。スビンゴールドを栽培することが出来るのは彼の農場だけです。
「スビン」とはインド綿のスジャータ種と海島綿のビンセント種を交配して生まれた品種です。海島綿の遺伝子を持つこととインドの綿花に適した気候が相まって、その繊維長は世界トップクラスを誇ります。また繊度も他の綿花に比べて細く繊細で、独特のぬめり感を持ちます。そのスビンの中でも特に品質の良い1番摘み、2番摘みの綿花だけがスビンゴールドとして選別されています。インドの綿花農場は、アメリカのように機械化が進んでおらず、綿の繊維以外の枯れ葉などが混ざらないよう気をつけて、昔ながらの手作業でひとつひとつ丁寧に摘み取っています。
摘み取った綿はラクシュマナン氏の経営するジンニング(綿繰り)工場へ運ばれます。ジンニング(綿繰り)とは綿と種を分ける作業のことです。まず工場に運ばれた綿花は、収穫した際に混ざった綿以外のゴミや不純物を多くの人による手作業で取り除いていきます。その後、ローラー式のジンニングの機械によって、綿と種が分けられ、圧縮して梱包していきます。
ここまで手間をかけて選別されたスビンゴールドが大正紡績に入ってきます。栽培から収穫、ジンニングまで多くの人が関わることで、品質の高い綿が私たちに届けられていることを伺い知ることが出来ました。